高周波での電気回路の取り扱いについて気になったので少し勉強。
集中定数回路
集中定数回路とは、いわゆる普通の回路です。抵抗、コイル、コンデンサなどの素子の機能が一点に集中している。取り扱う信号の波長が、回路長さに対して十分長い場合、この扱いが可能となる。つまり、線路の形状は意味を持たず、単純に素子をつなげているだけの存在である。
分布定数回路の導入
使用する周波数が高くなっていく、つまり波長が短くなっていくと、集中定数回路の考えは通用しなくなってくる。信号の波長 $λ$ を、光速 $c$ と周波数 $f$ で表す(簡単のため線路の誘電率は無視する)と次式
\[ λ=\frac{c}{f} \]
であるから、信号が10kHzの場合、波長は30km。信号が10GHzの場合、波長は3cmとなる。
1.5cmの線路にcos波の信号を流す時を考えてみると下記のグラフのようになる。
10kHzのときは信号に対して線路が十分長いため、信号に変化は見られない。
一方、10GHzの時は左端(始点)と右端(終点)で信号値が全く異なってしまう。これが、高周波領域で集中定数回路が通用しない理由だ。線路の長さや形状が、特性に大きく影響を及ぼすのである。
よって、高周波の領域では分布定数回路の考えを導入する必要がある。
下記は同軸ケーブルなど、2つの線からなる線路の分布定数回路のモデルである。ただの線路内に、このような素子が分布していると考えるのです。
続きます。